食中毒の原因となる細菌・ウイルスの代表的なものについて説明しております。また主な症状・感染源・予防方法などについても説明しております。
食中毒とは?
食中毒とは、生きた病原菌やウイルスによって汚染された食品や有毒物を含む食品を飲食することによって、腹痛・嘔吐・下痢・発熱などの激しい症状や神経障害などの健康障害を生じる場合をいいます。
- 細菌性食中毒
- ウイルス性食中毒
- 化学性食中毒
- 自然毒食中毒
- その他
以上5つに分けられますが、今回は1細菌性食中毒と2ウイルス性食中毒についてご説明して行きます。
細菌性・ウイルス性の分類
食中毒の原因には、細菌性食中毒とウイルス性食中毒に分類されます。
細菌性 | 感染型 | 感染侵入型 | サルモネラ属菌他 |
感染毒素型 | 腸炎ビブリオ他 | ||
毒素型 | 黄色ブドウ球菌他 | ||
ウイルス性 | ノロウイルス他 |
細菌性食中毒
細菌性食中毒とは、病原細菌によって汚染されている食品を飲食することにより発症する病気です。発症の仕方には感染型と毒素型があり、感染型には感染侵入型と感染毒素型に分けられます。
細菌は感染すると体内で増えていくので、治るまでにかなりの時間がかかります。
感染型
感染侵入型は、原因細菌が食品中に増殖し、生きたまま食品とともに摂取され腸管内でさらに増殖して組織や細胞に侵入して発病します。
感染毒素型は、原因細菌が食品中に増殖し、生きたまま食品とともに摂取され、腸管内で増殖または芽胞を形成する際に産生された毒素によって発病します。
サルモネラ属菌食中毒(感染侵入型)
感染型食中毒の1つで、体に入ったサルモネラ属菌がさらに増殖して中毒が起こる。
感染源・原因食品
保菌動物の肉や卵を加熱不十分のまま摂取することによって起こることが多く、ゴキブリ・ネズミ・ハエなどから汚染されることもあります。
近年では生卵やケーキ・洋生菓子・食肉からの発症が多くみられます。
主な症状
他の食中毒に比べて経過が長く、重い症状をともないます。腹痛を起こし下痢や嘔吐を招きます。また発熱をともなうことも多いです。
大体10〜24時間で発病するが、2〜3日してから発病することもあります。発熱後は3〜5日で良好に向かい、7〜14日ぐらいで治ります。
予防方法
一番重要なのは、鶏卵の衛生的取り扱いであり、さらに言うと調理場からこの菌を媒介するネズミ・ゴキブリ・ハエなどを完全に駆除することが中毒の防止になるので、定期管理をすることが重要です。
また、この菌は熱にあまり強くないので、食品などを十分に加熱すれば安全です。
ネズミ駆除サービス
ネズミの体には、ダニやノミがたくさん付着しております。また体内には細菌やウイルス・寄生虫などもたくさんいる為、ネズミは病気や寄生虫の運び屋と言われています。
上記でも説明したように衛生管理からみてもネズミは絶対に駆除した方がよいです。ネズミ駆除に関しては別のページで詳しく説明しておりますので、下記ボタンをクリックの上ご参考にしてください。
腸炎ビブリオ食中毒(感染毒素型)
菌体の一端に1本の鞭毛(べんもう)を有する通性嫌気性の※桿菌(かんきん)である。3%食塩濃度の環境でよく増殖する(病原菌好塩菌)。
また腸炎ビブリオは、他の細菌の半分の時間で、発病可能数に増えることができます。しかし、15℃以下の温度では増殖しません。
※桿菌とは、棒状、円筒状の細菌のこと
感染源
海水域に生息している。冬季は海底の泥中で越冬し、海水温度が17℃以上になると増殖を始め、20℃以上になると急速に増殖します。
原因食品
主に海産の魚介類およびその加工品である。調理器具や手指を介して2次汚染された食品が原因となることもある。主にアジ・イカ・タコのような近海産の魚介類であります。
主な症状
潜伏期間は10~20時間。激しい上腹部痛と水溶性下痢、時には血便も起こります。通常は1〜3日で回復しますが、まれに心筋異常により死亡することもあります。
予防方法
魚介類の調理にあたっては、以下の点を行ってください。
- 飲用適の流水でよく洗うこと
- 低温(5℃以下)で保存すること
- 加熱処理すること
また魚介類を調理したあとは容器、器具、まな板の洗浄、消毒を適切に行う必要があります。
毒素型
原因細菌が食品中で大量に増殖し、その際に産生された毒素を食品とともに摂取することによって発病します。毒素型は発病までの時間が短いのが特徴であります。
ぶどう球菌食中毒
加熱によっても破壊されない毒素型食中毒の代表的なものです。ぶどう球菌の毒素はエンテロトキシンと呼ばれています。ぶどう球菌は食品に付着して、さかんに増殖しながらエンテロトキシンという毒素を産生し、これが食中毒を起こさせます。
ぶどう球菌自体は煮沸により死滅しますが、エンテロトキシンは熱に対して強く、無毒とならないので、再加熱では安全とはならない。低音にも強く5℃でも増殖します。酸やアルカリに対しても強い(ph4,0~10,0で増殖)ので危険であります。
感染源・原因食品
ぶどう球菌はサルモネラ菌などに比べると、はるかに多く存在し、人の鼻腔内やとくに化膿巣には濃厚に存在しています。またいろいろな分野の調理で発生していて、いずれも調理従事者の化膿巣などからの汚染と考えられています。
主な症状
この食中毒は毒素型であるため、感染型に比べて発病までの時間が1〜6時間と短く、3時間前後が多いです。症状は、吐き気・激しい嘔吐・腹痛があったり下痢をしたりしますが、発熱はほとんど出ません。
嘔吐は、激しい場合には数十回のこともあります。経過は非常に短く、大体24時間以内には回復し、死亡することはほとんどありません。
予防方法
ぶどう球菌の食品汚染は、加熱調理後に調理従事者が手指で行うさまざまな作業や、使用後のふきん、調理機材などから汚染されるため、調理後の食品に直接手で触れないよう注意することです。
ウイルス性食中毒
ウイルス性食中毒のうち、ほとんどが「ノロウイルス」によるものです。ここでは「ノロウイルス」についてご説明いたします。
ノロウイルス(SRSV:小型球形ウイルス)
汚染食品としては、牡蠣、蛤などの二枚貝である。食中毒が多くみられるのは、生牡蠣・酢牡蠣・殻付き牡蠣や牡蠣料理です。我が国では、冬季に生牡蠣による家庭内や集団給食施設食中毒として度々起こる。
ノロウイルスは食品。河川水・海水中などで増殖することは無く、ヒトの小腸のみで増殖する。
感染経路
感染経路は経口感染・接触感染・飛沫感染・空気感染があります。
経口感染
牡蠣などの二枚貝をよく加熱せずに食べた場合に起こります。また、調理する人の汚染された手指が触れた食材を食べたことでも起こります。
接触感染
感染者の便や嘔吐物に直接触れて手指が汚染されると、接触感染がおこります。排便後に十分手を洗わずに触れたドアノブを介しても起こります。
飛沫感染
感染者の嘔吐物が床に飛散した際に、周囲にいてノロウイルスの含まれた飛沫を吸い込むことで起こります。
空気感染
感染者の便や嘔吐物が乾燥すると、ホコリに付着し空気中を漂います。これを体内に吸い込んでノロウイルスが侵入することで起こります。
予防方法
一時感染予防として、生食を控え85℃で1分間以上の加熱で不活性化する。
二次感染予防として、手洗い設備の完備と手洗いの励行、給水設備の衛生管理などの衛生教育の強化する。
廃棄方法
便や嘔吐物を処理する場合は、マスク・手袋・エプロンなどを必ず着用し、便や嘔吐物が飛散しないようティッシュペーパーなどを十分重ねて覆います。その上から塩素系漂白剤を薄めずにかけて15〜30分おきにビニール袋で密封して廃棄します。
次に200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで拭き取ったのち、さらに水で拭き取ります。最後に使用したマスク・手袋・エプロンもビニール袋で密封して廃棄します。
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