ノロウイルス食中毒とは?やるべき対策は?
毎年11月頃から増え始め12月~2月にピークをむかえるノロウイルス
ノロウイルスは
- 発症すると感染性胃腸炎による激しい下痢やおう吐、発熱、腹痛などを起こします。
- 感染力が非常に強く大規模な集団感染を起こしやすく年間の感染者数は90~100万と推測されています。
- ノロウイルス食中毒は患者数で1位となっており冬場は要注意です。
ノロウイルス食中毒事件としては2017年2月、東京の立川市にある7つの小学校で給食に出された親子丼にふりかけた『刻みのり』が原因で1,000人以上がおう吐、下痢症状を訴えた集団感染が記憶に新しいかと思います。
このように食中毒を発生させてしまうと営業停止、廃業に追い込まれることも。
お客様への健康被害はもちろん、自店を守るためにも細心の注意を払った対策が必須です。
今回は飲食店、介護施設、保育園など食品を扱う事業者がすぐに実践できるノロウイルスの予防対策をまとめてみました。
少量でも感染!ノロウイルスの強い感染力
このウイルスの粒子は約30nm(ナノメートル)と非常に小さく10~100個と少ないウイルス数で発症してしまいます。
感染者の糞便1gあたりに1億個以上、おう吐物1gあたりには100万個以上のウイルスが含まれています。
症状が治まった後も一定量のウイルス排出があるので注意が必要です。
また、不顕性感染者(症状が出ないが感染している人)にも注意が必要です。
ノロウイルスはどうやってうつるの?
- 汚染された食品、感染者の糞便、おう吐物から人の手などを介しての接触感染
- おう吐物などの飛沫を吸い込んだことによる飛沫感染
- 感染者のおう吐物、糞便が適切な処理がなされず乾燥しウイルスが空気中に拡散し、それを吸い込んだことによる空気感染
感染事例
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- 食品取扱者が感染、またウイルスの付いた調理器具を使い調理した食品にウイルスが付着し、それを摂取したことにより感染
- ウイルスの付いた手で様々な部分に触れ、それをまた他の人が触れる事での感染
- 汚染されていた二枚貝を生あるいは十分に加熱調理せず食べたことによる感染
- ノロウイルスに汚染された井戸水や水道水を消毒不十分で摂取した際の感染
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※この感染経路を理解し店舗、施設での環境を考慮した予防対策計画しましょう。
ノロウイルス食中毒の対策
食品取扱者の体調管理
日頃の健康状態を把握し下痢症状、おう吐、発熱がある場合は食品を取り扱う業務は停止する。
食品取扱者の健康チェック表を記入、保管が必須です。
検便の実施
月1回の検便の実施また腸管出血性大腸菌の検査を含める、10月~3月の流行期には月1回以上または必要に応じてノロウイルスの検便検査につとめること
(大量調理施設衛生管理マニュアル)
とあります。
また感染していた場合、検便にて保有していないことが確認されるまで食品を扱う業務に従事させないようにしましょう。
検便を実施することで不顕性感染者を発見することができるのでノロウイルス流行期の検便を強くおすすめします!
手洗い
洗うタイミング
- トイレに行った後
- 調理施設、厨房に入る前
- 料理の盛り付けの前
- 次の調理作業に入る前
- 手袋を着用する前
消毒方法 ノロウイルスの付着、疑われる物・場所
熱・熱湯による消毒
- 85℃で90秒以上の煮沸消毒
- 高温乾燥機やスチームアイロンでの高温殺菌
次亜塩素ナトリウム水溶液(消毒液)
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- おう吐物、糞便が付いた物は他のものと分けて洗浄・消毒
- 食器類は厨房に戻す前に消毒液に浸ける
- 床、衣類、ドアノブなど手に触れた場所の消毒
※アルコール剤での消毒は効果がないことはないようですが効き目が弱いようです。(最近は効果のあるアルコール剤も出ています。)
使用する場合は商品の効果を良く見定めてから使用しましょう。
消毒液の濃度
食器、衣類、ドアノブ、環境消毒については200ppm
おう吐物、糞便などの消毒については1,000ppm