介護施設における新型コロナウイルス対策

現在の介護施設

現在、介護施設等でクラスターが発生している所があります。
多くの人がいる場所では、密になりがちになりますが、その場に合ったコロナウイルス対策をしっかりやっていきましょう。

「1ケア1手洗い」の徹底

日々の業務で利用者に触れる機会は多いでしょう。その際に触れる手指が感染された不衛生な状態だと利用者や職員間での感染が広がる原因となります。ケアの前後と合間にこまめに手を洗うようにしましょう。1回のケアごとに手を洗う「1ケア1手洗い」の意識が大切です。

よく触れる箇所も消毒を

業務を行う中で職員が共同で使用するものがたくさんあります。介護施設内の手すりやドアノブなどは意識的に消毒を行っているかと思いますが、意外と見落としてしまいがちなのがタブレット機器やパソコンのキーボードです。利用者が触らないので、精密機器なのでなどの理由でついつい消毒への意識が薄れがちですが、不特定多数の職員が素手で触る機会の多い場所です。消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを含ませた布などで定期的に拭き取り、感染予防に努めることが必要です。

食事は原則個室で

食事は、極力個室で行っていただくようにします。食事を始める前に利用者、職員共に手洗いをしましょう。食器については極力使い捨ての食器を用意したほうが衛生的です。用意ができない場合は濃厚接触者の食器は他者と分けた上で熱湯消毒や塩素消毒を行ってください。

排泄物は「感染性廃棄物」として処理で

排泄に関しても、極力他者と空間を分けるようにします。おむつなどを使用している際、排泄物は他者と同じ袋に入れるのではなく、別袋にまとめて「感染性廃棄物」として処理するようにしてください。また、鼻をかんだティッシュなども同様に「感染性廃棄物」として扱ってください。

要介護者の入浴は極力控える

要介護者個人の部屋に専用の浴室がない限り、極力入浴は控え、清拭をするに留めましょう。
使った器具は熱湯や塩素消毒を行いましょう。

エアロゾル感染

新型コロナウイルスの新たな感染経路として挙がっているのがエアロゾル感染です。

エアロゾルとは何か

エアロゾルとは、空気中に漂う微細な粒子のことを指します。

感染者がくしゃみや咳、つばなどによって出された飛沫は水分を含んでいるため、重さがあります。ですので飛沫感染の場合はそのくしゃみや咳、つばなどのしぶきを浴びなければ感染は成立しないと考えられています。

この飛沫の水分が蒸発し、ウイルスだけが残る飛沫核という状態をエアロゾルと言います。このエアロゾルは直径5㎛以下のものと定義されています。エアロゾルとなると乾燥して水分を含んでおらず粒子も小さいため、浮遊しやすくなるという特徴があります。

また、エアロゾルは3時間程度は感染性を有して空気中を浮遊し続けることが報告されているため、特に密室においては感染の確率が高まることが指摘されています。

エアロゾル感染を防ぐためには

新型コロナウイルスが飛沫感染と接触感染のみが感染経路であると考えられていた時には、ソーシャルディスタンスとして2mほど人との距離を取っていれば感染予防として有効であると考えられていました。しかし、エアロゾル感染が新型コロナウイルス感染の感染経路として考えられていることによって、ソーシャルディスタンスのみでは、感染を防ぐことは難しいと考えられています。

エアロゾル感染を防ぐ最も効果的な方法は、マスクの着用と換気です。適宜換気を行い、窓がない等換気が難しい場所ならば空調システムや空気清浄機を確保する。人の多いところに立ち入らないといった方法で感染を防ぐことができます。また、飛沫核を飛ばさないためにはマスクの着用が励行されます。

施設内でのオゾン除菌

介護施設では、オゾン除菌サービスを取り入れているところもあります。
入居者様の個室や職員の会議室・リハビリ室等で、オゾン除菌サービスを実施しています。
また、オゾンには脱臭効果もあり、汚物処理室でもご利用頂けるサービスとなっております。

感染防止のためには

介護施設では、リクリエーションや行事など人が集まる機会もあります。多くの高齢者の方と接する介護施設職員は、自分が感染した場合、自分の命や健康はもちろん、利用者様の命や健康を害することになるとしっかり意識をし、感染予防に努める姿勢が求められます。